機械製図とCAD


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CAD 初級編


◆ CADって何? ◆

 CADとはいったい何なのか。何となく3Dのグラフィックを想像する人もいるだろう。 CADとは

  • Computer Aided Design

  • Computer Aided Drowing


  • という2つの意味があり、Computer Aided Design は 「コンピュータを用いた設計」という意味で、 Computer Aided Drowing は 「コンピュータを用いた製図」などという場合もある。 しかしここでは、Design の方と考えて話をする。 もちろん、製図も行うが、製図だけのCADという話をするわけではないので、この方針で行こうと思う。

     さて、もし何らかの機械部品の設計をするとして、まず何を考えるだろうか。 材質、強度、サイズなどなど、様々な要素を考えなくてはならない。 特に、より洗練された設計を目指す場合、 何度か実際に形にしてみないと分からないことが多いはずである。 部品点数の多いものなどは特に難しい。 しかしながら、作っては修正し、作っては修正しを繰り返していると、時間もコストも掛かってしまう。 そこで、コンピュータを用いて、仮想的に機械部品を作り、 組み立てることが出来れば、大幅な効率化を図ることができる。 それがCADの利点である。 もちろん機械図面を正確に、かつ素早く、 そしてデータ化することが出来るという点でも優れている。

     CADを使うことで実際に物を作らなくても完成品の形状把握が容易にできる



    CADの画面


    ◆ CADの基本 ◆

     CADといっても様々なソフトが存在する。 製作元が違えば、ソフトの使い勝手も断然違う。 ソフトの価格も1万〜1千万円のもの、年間ライセンスが何百万のもの、価格推定不能なものなど、 ピンからキリまで存在する。 CAD、CAE、CAMが全部合わさったものもあれば、さらにCG製作から何から何まで付いたものもある。 ここではそんな様々なCADに付いて説明するのではなく、 大体、全てのCADに共通する基本的な機能や用語などを解説していく。

     CADの基本は2D(2次元、平面)である。 2Dで何も表現できなければ、3Dなど扱えるはずも無い。 一つのコマンド(機能)で瞬時に3Dの表現が可能な場合が多いが、 基本が2Dであることを忘れてはいけない。

     CADを覚えたいならちゃんと2D CADを学ぼう


    ヘルプ

     CADを自在に使うためには、 自分の使っているCADの使い方を知らなくてはならない。 それを知るために必要なのは、 分からないことをすぐにヘルプで調べてしまうことである。 良いCADならば、ヘルプが充実しているはずである。 もちろん、専門用語が沢山出てくるのでそれらの知識は絶対不可欠である。 特に製図の知識が無いことにはどうにもならない。 だからこそ、このサイトの最初のページで製図の基礎について触れたのである。

     CADを覚えるための秘訣は、製図の知識を持ち、 その知識を持ってCADのソフトのヘルプを見ることである。


    座標

     CADで線や円、四角などの要素を描いた場合、必ずそれらには座標が存在する。 基本的には原点の場所に 矢印などでX,Y(3Dの場合はZも)が表現されているはずである。 その原点からの距離をミリメートルやインチで表わしている。 この座標空間であるからこそ、CADで正確な設計を行うことが出来るのである。

    座標の原点


    座標は主にプロパティーなどで確認することが出来る。 恐らくは、直線のデータの場合はその長さ、円の場合はその中心点座標、 直径、円周なども分かるはずである。

    直線

     CADを初めて触る場合、まずは直線のコマンドを探してみよう。 AutoCADなど、キーボードからコマンドを直接打ち込めるようなタイプのCADでは、 「line」と入力すると直線を引くためのコマンドが作動する場合もある。 ただ闇雲に直線を引くだけでも、きっと様々な機能に気がつくことだろう。

    直線


    基本的には、1回目にクリックした点と2回目にクリックした点を結ぶ直線を表示する。 そして、「Esc」(エスケープ)キーなどでコマンドをキャンセルしない限り、 2点目から3点目を結ぶ直線、3点目から4点目を結ぶ直線と延々と続けることが出来る。

    直線の説明


    スナップ

     スナップとは、簡単に言えば線の先端、 四角形の角などに磁石のようにピッタリとカーソルを合わせる事の出来る機能である。 もし、スナップ機能をOFFにして、線の先端からまた別な線を描こうとする場合、 以下の図の様に見た目の感じに従って、線の先端にマウスカーソルを持っていくだろう。

    スナップOFF


    そして、直線を引く。一見して、線の先端からキッチリ直線を引けたように見える。(下図)

    スナップOFF


    Peintなどのソフトなら問題は無いが、これはCADの座標空間なので、座標は0.001[mm]以下でも調節できる。 つまり、どういうことかというと、CADの座標空間上において、 ある点とある点を見た目で合わせることは非常に難しいということである。 いくら見た目がピッタリ合わさっているように見えたとしても、拡大してみると、下図の様にこんなに隙間が空いているのである。

    スナップOFF


    もっとも、その合わせたい点の座標を入力して合わせる方法もあるが、CADにはスナップという便利な機能がある。 今度はそのスナップを用いた例を示す。

    まず、スナップをONにする。 ある直線の先端にカーソルを近づけると、スナップOFFの時とは違い、四角いマークが表示される。 このマークはCADによって違うので、何か変わった反応がでたら、スナップが作動していると考えて良いだろう。 また、もう一つスナップの作動を確かめる方法として、カーソルの動きが挙げられる。 カーソルを直線の先端に近づけた時、 カーソル自体が文字通り磁石の様に吸い寄せられてピッタリと先端に合わさる動作を見せる。 このまま直線を引けば、角がピッタリと合わさった折れ線を描くことが出来る。

    スナップON


    一応、拡大してみると、ちゃんと合わさっている事が分かる。

    スナップON


    さらに、座標を確認してみると、まったく同じであることが分かる。

    座標確認


    座標確認


    つづく・・・(2008年6月25日)

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